先生の白い嘘8巻(最終回)のネタバレと感想。〜それぞれの出した答えは?〜

性の不平等をテーマに、誰もが見て見ぬふりをしたい性の役割や差別をこれでもかという程に突きつけてくる本作も、今巻で最終巻を迎えました。

美鈴、新妻、早藤、美奈子、それぞれの行方はどうなるのでしょうか。
それではさっそくネタバレです。今巻もぎっしり詰まってます。

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先生の白い嘘8巻(最終回)ネタバレ

秘密にしていた教え子新妻と手を繋いだ写真が校内に回ることで、二人の関係がばれてしまいます。が、学校側からは注意を受けるだけで済んだ美鈴。

一方、「美鈴から本音を聞いた夜」の事件をきっかけに、血まみれの彼女がフラッシュバックするようになってしまった早藤は、こうなった自分のきっかけを記憶の中から探します。

それは高校生の頃、初めておつきあいをした女の子と行為をした日、痛みに苦しむ彼女を見て、女とは征服し、痛めつけるものだ、と直感として思った出来事でした。

美鈴とのことをきっかけに、仕事も無断で欠勤し、憔悴していく早藤。日用品店で彼が目にしたのは・・ロープでした。

学校での朝礼の風景。連絡事項を告げるために壇に立った美鈴に、生徒が写真の事件をほのめかして茶化します。

すると彼女は、たしなめることなく、真っ向から自分の気持ちを語り始めます。とてもとても後悔していると。

それは教え子と関係をもったことを指すのか、との周囲の非難に、彼女は正直に語ります。

反省しているのは、愛を信じられなかったこと。自分も新妻も、レイプ被害をきっかけに、自分以外の身体をほしがることを罪だと思うようになってしまった。

けれど、親友の妊娠をきっかけに、それは苦しくても他人を信じ続けられる人にしか得られないものかもしれないと考えが変わっていった。

「私にはできなかった」という彼女に対し、美鈴の目の前に現れた新妻は、「なんで決めちゃうんですか」と彼女にキス。

入院中の美奈子の元を訪れた母親は、仕事を欠勤している早藤との子を養子に出すよう言われ、「簡単じゃないから愛するって決めたの」と胸の内を明かします。

早藤に連絡がつかないことを心配した美奈子が病院を抜け出し、彼のアパートで見たのは、首を吊った早藤でした。

急いでロープを切って助けると、早藤を一喝します。彼女はとっくに早藤の甲斐性のなさや『クソみたいな』内面についても承知済みでした。

その上で「あんたにできるのはたった一つ。

最悪な男として最悪な人生を生きることだけよ」と言い渡します。

直後に破水した美奈子にタクシーを呼ぶよう頼まれた早藤は、渡された携帯でなんと自首します。

その後拘置所を訪れた美奈子との会話では、自首することを彼女が見越した上で、子どもを守った理由を話しています。

そんな彼女に、早藤も感じるところがあったようです。

高校を辞め、保健の先生を目指して勉強を始めた美鈴。

早川の自首に際して警察から及んだ事情聴取に一度はためらう彼女でしたが、髪を切った新妻を見て、事情聴取に応じる決心をします。

警察で状況を聞かれ、レイプされた時の自分が自分とは感じられなくなるような辛い心情を吐露する美鈴。

ですが、今は日常の中にあるきれいな気持ちや優しさを感じられるようになったのだと語ります。

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先生の白い嘘8巻感想

早藤が捕まることで、美奈子の子は「犯罪者の子」となってしまうわけで、子どもと妻も持つ覚悟を決めた直後にそれかい!と思わなくもなかったのですが、彼としては、美奈子に正面から断罪され、なおかつ受け入れられたことで、自分の過去に対して自殺をして逃げるのではなく、向き合って誠実に償い清算した上で、父として夫として頑張っていこうと心を入れ替えての行動なのでしょう。

一方、新妻も変化していましたね。

以前長かった前髪を指して「見たくないものがたくさんあるんだね」と美鈴に言われていた新妻。

同じレイプ被害者でもあった彼が「見たくないもの」から目を背けていた過去の自分から髪を切って決別した変化を見て、被害者として実名で聴取を受け、自身の中でもこの出来事を終わらせる決心がついたのでしょう。

エピローグの美鈴の家の庭で、ラブラブなやりとりをする新妻と美鈴の様子もほのぼのとします。

メインエピソードから2年後とのことですが、「元教え子」の新妻がまだ美鈴に敬語を使っているところにキュンキュンです。

辛いことも経験した二人ですが、最後は穏やかな幸せを感じられる人生を取り戻すことができてほっとしました。

というわけですが、最後までお読み頂いてありがとうございました!

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