田所の「どら焼き」を審査員たちが
実食し、茜ケ久保に一歩及ばずと判断
しかけましたが…その続きです。

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食戟のソーマのネタバレ感想240話。241話の予想。意味のある一票。

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アンが驚きます。

「こ……この味は……!!」

「ど、どうしたんだい?アン!!」

シャルムが慌てて聞きました。

「食べ進めれば分かります……!」

「え?だって…中身に変わった
ところなんて無いじゃないか。

これ以上の変化なんて
あるわけが……。」

イストワールも再びどら焼きを
食べていきます。

するとシャルムとイストワールに
電流のような衝撃が走りました。

その様子に吉野達も驚きます。

「おおおっ!!?」

川島が実況します。

『 こ…これはどういうこと
なのでしょう!?

実食はもうほとんど済んでいたはずの
審査員たちが反応しています!! 』

茜ケ久保はブッチーを抱いて
呟きました。

「……恵みゃんは
何をやったのかな。」

イストワールはごくんと
どら焼きを飲み込みました。

「なるほど…どら焼きの中央だ…!

ちょうどこの焼印の部分!
そこに―――…

【林檎のコンフィチュール】を
仕込んでいたのだ!」

一色が微笑みます。

― コンフィチュール! ―

ソーマはわかりません。

― 何すかソレ!? ―

イストワールが説明します。

「コンフィチュールとは!
フレンチで”ジャム”を指す言葉…。

これはリンゴを主役に生姜も投入した
特製ジャムだ!」

― ジャム特有のみずみずしい酸味や
果実のコクに…生姜の風味も相まって

角切りリンゴやどら焼き生地と
絡んだときの鮮烈な印象が素晴らしい! ―

「しかもこのショウガもしかして…?」

田所が答えます。

「はい…タクミくんの針生姜です。

それを分けてもらって
物凄く細かいみじん切りにして
使いました。

調理前…タクミくんが時雨煮で
行くと聞いて閃いたんです。

まわりのほのかに甘い白餡を食べた後
この中心部を味わえば

じゅわっと広がる酸味が際立ち
味に奥行きが出るんじゃないかって……!」

りんごのバターのボールとコンフィチュールの
ボールを手前に置きました。

「リンゴのバターとコンフィチュール…、
見た目は似ている素材ですが

この二つの味の差が…変化が!
私のどら焼きの最後の決め手です――…!」

佐藤が拳を握りしめました。

「うぉおおお!!そんな秘策を
隠してやがったなんて!」

新戸も納得しました。

「なるほど…色や形状が似ているからこそ
完璧な不意打ちができたわけか。」

― アルディーニのピッツァとは別方向での
料理の形状を利用した味変テクニック!!

敵に対する追撃の一打に
なったはずだ!! ―

茜ケ久保は半分になった田所のどら焼きを
屈んでじっと見つめました。

「………。」

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川島が進行します。

『 さぁ……間もなく実食は終了とします。

審査員の皆さまに判定を
下して頂きましょう!

もも先輩に票を投じるなら右手を!

田所恵さんに投じるなら左手を
掲げてくださ―――い!!! 』

審査員たちは悩みます。

茜ケ久保はその様子を冷静に見つめ
田所は祈るようにギュッと固く目を
閉じました。

アンは迷っていました。

(まさしく味わう者へのステルスパンチ!!
最後の最後まで…)

― 対戦相手にも隠していた
フィニッシュブロー。

敵のバイタルエリア
ど真ん中に飛び込み放つ―――

死角からのアッパーカット!!! ―

時間が過ぎ、田所がちら…と目を開けました。

アンが田所へ一票、左手を上げていました。

田所は驚き期待して顔を上げると
掲示板は茜ケ久保に2票入っていました。

イストワールが言います。

「…たしかに優れた発想だった。

どら焼きひとつの中にも
新鮮な驚きを組み入れた
もてなしの心は見事。

だがこのコンフィチュールが
持つ微妙な渋味によって

元々完成していた白餡の…
繊細な甘さのバランスが
わずかに霞んでしまっている。

そうだな例えば…ペクチンを加えて
さらに煮詰め―――

パート・ド・フリュイの状態にすれば
甘さが更に凝縮され、全体の風味が
深まったかもしれないが

いや…それだと白餡の食感が
失われてしまうか。」

「…アンは田所さんに
投じたんだね。」

シャルムが言いました。

「ええ、あなた達の判断も尤もです。

……しかし私は彼女の工夫――
その可能性を評価せずには…
いられませんでした……!」

「……」
「うむ。」

シャルムもイストワールも納得します。

茜ケ久保は黙ってその様子を
聞いていました。

川島がまとめます。

『 ……つ、つまり!この対決カードは
十傑評議会サイド

茜ケ久保もも先輩の
勝利―――――!!! 』

観客たちは一斉に湧き立ちます。

「おっしゃ―――――!!」
「きゃああやったぁあ―――っ」
「さすがもも先輩だぜ―――ッ!!」

反逆者チームは悔しそうに
肩を落とします。

田所は立ち尽くしていました。

「………」

ソーマが声をかけます。

「…田所…」

田所が振り向きました。

「ごめんねっ創真くん。
えへぇっ負けちゃったぁ。」

笑顔で言う田所にソーマも
微笑みます。

「おうっ気にすんない。
どんまいどんまい!」

ビシッと親指を立てます。

田所は反逆者チームの元へ
戻っていきました。

「恵――――っお疲れ~~~!!」

「ご…ごめんねぇ皆。」

謝る田所にみんなが
労いの言葉をかけます。

「謝ることねぇって。」
「ナイスファィト!
ナイスファィトだったぞ!!」

その様子に観客席の生徒たちも
拍子抜けしました。

「……あれ…何かそんなに
へこたれてないみたいだぞ。」

「まぁ元々結果は見えてた
対戦カードだったしな!」

田所はみんなに言います。

「えへへぇっ、もう私……
負けちゃったし。

あとは創真くんの応援
全力でするよ!」

吉野が拳を振り上げます。

「そだねっ、よぉーし!」

反逆者チームがソーマの応援を
始めました。

えりなが横から声をかけます。

「田所さん、お疲れ様。」

田所はトトト…とえりなの元へ
駆け寄りました。

「う、うん…ありがとぉ、えへへ…」

一色もタクミもそんな田所を
目で追います。

田所はえりなにも謝りました。

「……ご、ごめんねほんとに。

創真くん達とも連携しながら…
しっかり良い品を出そうって

頑張ったんだけど
つ、詰めが甘かったみたいだよ…。
えへぇ…。

四宮コーチにも謝らなきゃっ。
怒られちゃうかな…あはは。

でもね!やり切ったっていう
気持ちはあるんだぁ。

だって十傑にいる三年生と戦うなんて…
今までの私にしたらそれだけでも
すごい事で………」

「田所さん……!」

田所はコックコートの裾を震える手で握りしめ
こらえきれずに涙を流しました。

えりなは何も言わず側に立っています。

茜ケ久保はブッチーを抱いて
その様子を見ていました。

「…フンだ。

かわいくない…
からいくないなぁ………。

【田所 恵】……。」

そのまま会場を後にしました。

田所は涙をごしごし拭うと
顔を上げます。

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「がんばれ創真く――――ん!!!」

大声で応援を始めました。

その声援はソーマに届いていました。

― ……わかるぜ。

悔しくないわけ…ねーよな!

見てろ田所!!

お前との連携…
ぜったい無駄には
しねぇからな!! ―

フライパンをふるい続けると
隣から歓声が聞こえてきました。

斎藤が箸でイクラをスッと載せます。

「…これまで両陣営、一つずつの白星。
形勢は五分と五分だな。

さぁ俺の繰り出すこの刃!!
果たして受け切れるか!?」

今週はここまでです。

やはり三席の壁は厚かったですね!

田所残念でしたがアンの一票をもぎ取ったり、
ももにフルネームを言わせたり。

けして完敗ではなかったと思います。

田所の泣き顔はえりなしか見ていませんが
ソーマやタクミや一色さんが心情を
察しているのも微笑ましい。

フランス料理テクも2つも
入っていたし。

四宮コーチに特訓してもらった
かいがありましたね!

そういえば、いつの間にか
川島が元に戻っている…。

ここから来週の241話の予想です。

田所の悔しさはソーマが
引き継いだ訳ですが。

この勝負で第3カードの
勝敗が決定しますね!

実食は斎藤先輩が先かー。

バターを使った海鮮丼。

バターを使ってるって事は
生魚ではない…と思うんだけどなァ!

生魚のバター和えは凄そうだよ…。

それか超上質なバターを使って
生でもいけるような海鮮丼なのか…。

はたまたバターライスなのか…。

斎藤さんは寿司職人なので
そこから大きく外れる料理は
しないとは思いますが。

前回の美作との食戟のダメージも
どれ程のものなのか気になる所です。

来週も楽しみです。

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というわけですが、最後までお読み頂いてありがとうございました!

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