第1カードの料理が出そろい
審査員達が判定に移ろうとした時、
えりなが茜ケ久保にスフレを差し出しました。

その続きです。

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食戟のソーマのネタバレ感想247話。248話の予想。えりな様は最後までカッコイイ。

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― 食べて下さいますわね。
カワイイ”女王”様? ―

えりなが茜ケ久保にスフレの皿を
差し出します。

場内がざわめきました。

田所が目を見開きます。

「……どら焼き――…」

突然アリスが笑い出しました。

「ウフフフッ…」

ソーマが不思議に思います。

「ん?どしたどした。
そんな爆笑するとこあったか?」

「ウフフッべつに?」

「?」

葉山も微笑みました。

茜ケ久保がえりなをスッと指さします。

「……たしかにかわいいレベルは
中々だよそのスイーツ。

だけどさぁ
もも的には…

95点。

どうして餡子を入れて
どら焼きにしちゃったのかな?

餡子なんか挟んだら繊細なスフレ食感や
風味がボヤケちゃう。

黒糖はメレンゲに混ぜて…スフレ
パンケーキにするだけでよかった。

そうすれば100点満点だったのに。

見ただけで分かる…減点だよ。
田所恵の品といっしょだね。」

えりなが言葉を返します。

「果たしてそうかしら?

味わえば分かります。

先ほどの試合であなたを
不快にさせたものの正体がね。」

試合前にえりなは茜ケ久保に言いました。

― ご機嫌斜めのようですね…。
その理由

この私が教えて
差し上げますわ。 ―

茜ケ久保はブッチーに相談します。

「だってさブッチー…。
どうしよっか。

え?

仕方ないから食べてあげろ?
やさしいなーブッチーは。」

すとん…と椅子に座り、膝の上の
ブッチーの顔にスフレの皿を乗せて
一口頬張りました。

茜ケ久保が沈黙します。

思わず叡山と紀ノ国が様子を窺うと
茜ケ久保は目をハートにしてプルプル
耐えていました。

叡山も会場の生徒も驚きます。

「なにぃい!!?」

「あ、あのもも先輩が…
他人の作ったスイーツで
メロメロに!?」

茜ケ久保は震えながら言います。

「くぅっ…………!?
この味の……深さは…っ!!」

アンが目を閉じ震えながら説明します。

「ええ…その通り。

隠し味は即席の【ギリシャヨーグルト】。

“水切り”という製法で濃縮させた
特別なヨーグルトなのです!」

― 布やキッチンペーパー等で
ヨーグルトの水分を抜くと

乳成分が凝縮され、まるでチーズのような
やさしいコクが生まれる。

その水切りヨーグルトを
卵白を泡立てたスフレ生地に
混ぜ込んであるのです。

結果、パンケーキ自体の
コクと風味が深まり…

主役である黒糖餡の存在感を
更に引き立てている! ―

吉野と榊が驚きました。

「おおお…!そんな手が!

で、でもいつの間にそんな準備を
仕込んでたんだろ!?」

「特別な道具を使ってる様子も
なかったのに…。」

えりながスッとある物を
持ち上げました。

「使ったのはこれですわ。」

「え!!あれって……!!
コーヒーフィルター!?」

「そう……!

取り回しに優れ、濾過性能も抜群!
この品での水切りに最善の選択なの!!

この隠し味によって初めて
私が求めるレベルの美味に
到達したのです。」

イストワールは感心しました。

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― そうか…水切りすると水分とともに
【乳清(ホエイ)】も減らすことが
出来る。

乳清は栄養成分も豊富で
透き通るような甘酸っぱさが
特徴だが

このどら焼きが主張する
美味さとはマッチしないと
判断したのだろう。

あるいは水切りヨーグルトではなく…
より味の強いリコッタチーズや
クリームチーズを使っていたとしても

茜ケ久保ももの言うとおり
減点は確実だった…!

恐ろしい少女だ…!

出されてみればこれ以外の
工夫はもう考えられない!

まさしく神が降りたかの様な…
常識を超えた啓示的回答…!! ―

えりなは言います。

「私が今回目指した答えは
“正解”を超えた所でしか
見つからない物。

田所さんのチャレンジングな
どら焼きを見なければ

…この品は作れませんでした。」

アリスが田所に言います。

「………あの品の名前…
スフレ・レジェ・ドゥ・グラースと
言ってたわね。

スフレ・レジェは”軽いスフレ”…。
そしてグラースは

フランス語で”恵”という意味よ。」

えりなは茜ケ久保を見下ろします。

「茜ケ久保さん…貴女も今まで
その類稀なるセンスで

100点満点の皿を出し続け
生きてきたのね。

だからこそ認める訳にいかなかった…。

自分が君臨する世界の埒外にある
自分の知らない輝きを秘めた品を!

満点を捨ててでも120点を狙おうとした
田所さんの品に…勝利への姿勢に!!

貴女は苛立ったのだわ!!」

「…………!!」

茜ケ久保はぐぐぐぐ…と歯ぎしりします。

えりなは目を伏せました。

― そう…そしてそれは
かつて私が体験した事でも
あるんだわ。 ―

えりなはちらっとソーマを見ました。

「?」

えりなは目を閉じてソーマとの
出会いを思い返します。

― 私が支配し…君臨していた城の中に
あの日、君は現れた。 ―

茜ケ久保か真っ赤になって
反論します。

「……自分の事棚に上げて…
好き勝手言ってくれるね。

えりにゃんだって”氷の女王”とか
呼ばれてるくせに…!」

「―――えぇ確かに。

けれど今の私はもう

上座にふんぞり返っているだけの
女王ではありません。」

「……っ」

茜ケ久保が言葉に詰まります。

― こんな品ゆるせるわけない……!!

ももが可愛いと思ったものが
一番かわいいの!

それはもうぜったいなの!

認めたくない……っ

認めたく…ないのに……!! ―

えりなのスフレをまた一口食べました。

― ダメ……言っちゃう―――っ!! ―

【 このどら焼き超かわいい~~~~っ!!! 】

川島が実況します。

『 さ……さぁ判定は!?

この対決の勝者は―――!? 』

えりなはくる…と背を向け
振り向きざまに笑顔で言いました。

「御粗末さま。」

『 反逆者連合

薙切えりなの勝利――――!!! 』

電光掲示板は満場一致で
えりなに投票されていました。

吉野達が檻を倒して駆け寄ります。

「えりなっち~~~~!!!」

万歳三唱しているとソーマが
えりなの元へやって来ました。

「やってくれたな薙切ぃ……。」

「?」

「「御粗末」って俺のなのに
パクりやがって!

しかも自分流にアレンジとはよー。」

「!?べ…べつに!!
君からインスパイアされて
言った訳じゃありません。」

焦って言い返しますがソーマは
聞く耳持ちません。

「分ーった
分―――った!

しかしよーさっき俺の方
ちらって見たろ?

あれもパクる合図だったのなー。

んまー勝ったからオッケオッケー!
許すわ!」

「だ…だから違いますってばぁ!!」

「薙切さん……。」

後ろから田所が現れました。

「本当におめでと…!
そ、それとね

えへへ…あの

ありがとう」

うるっと涙があふれました。

「ありがど……私の…名前っひぐ

あでぃがどぅ~~~……っ」

えりなは照れながら焦ります。

「ちょ、ちょっと!
泣くことないじゃないの。
おかしな子ねぇ」

アリスが笑いながら見ていました。

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えりなは気を引き締めて顔をあげます。

「……とにかく、これでまず1勝ね。」

ソーマも腕組みして顔をあげました。

「おうっ……。」

― さて…のこりの2試合
どう転ぶ……!!? ―

ソーマは電光掲示板を見上げます。

4th BOUTに対戦者の名前が
提示されていました。

『 第2カード!!

一色慧VS… 司瑛士――――!!! 』

今週はここまでです。

「グラース」が恵という意味だったとは!
頭が良くなきゃわかんない…。

アリスと葉山、流石です。
黒木場もわかってたのかな?

第1カードはえりな様
余裕の勝利でしたねー。

最初から最後まで
カッコイイ勝負でした!

えりな版「御粗末」も良かった!

ももが新しい可愛さに目覚めたし…。

これからは田所やえりなの事を
にゃん付けでは呼ばなくなるのかな?

ここから来週の248話の予想です。

次はついに司VS一色ですね。
やっぱりこうなるか…。

一色先輩まだまだ実力を
隠している感じがしますが。

でも何となく負ける予感が…!

勝って欲しいですが
司のラスボス感がハンパない~。

ここで中枢美食機関が全滅するとは
どーにも思えない。

竜胆先輩も後に控えていますが
司は勝ち上がる気がするなぁ。

竜胆先輩の相手はタクミなんですね!
何気にタクミが一番精神的にキツいかも。

2連戦だもんなぁ。
しかも相手は十傑二席だし!
大変…。

第2カードのお題が
何なのかも気になりますね。

予想が外れてくれる事を祈ります。

来週も楽しみです。

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というわけですが、最後までお読み頂いてありがとうございました!

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