第二の試練2回目のチャレンジで
創真の作った必殺おせちは「足し算」の
ごり押しながら、見事に合格しました。

その続きです。

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食戟のソーマのネタバレ感想289話。290話の予想。えりな参戦!

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すっかりカラになった
お重を見て創真が嬉しそうに
ランタービに聞きます。

「で…?

俺の評価額
何ドルすか
何ドルすかぁ!?」

ランタービがゴソゴソ
財布を取り出しました。

「ぐぬ……
ちょっと待ってなさいよねっ

………あ」

( やばっ…
つい高額を連発しすぎて
手持ちがっ… )

慌ててポケット中を
ゴソゴソ捜し回りました。

「えっと
えっと……」

「?」

創真にお金を渡します。

「はい!

たぶんギリギリ100ドル
あるからっ。

ちょっと中断するわよ!
ドル札を追加で用意してくるわっ」

ダッシュで駆けて行くランタービに
創真が慌てて聞きます。

「え!!!いや、あの!
俺の判定額は!?」

「うるさいわね
いいでしょ合格なんだから。
忙しいのよこっちは!」

「や!
俺は司先輩と稼ぎ勝負を…っ

ちょっとぉ
頼みますよー!」

司が創真をなだめました。

「まぁまぁ…いいじゃない。
これで幸平も第二の門を
突破決定なんだからさ。

BLUE優勝の名誉と…
“副賞”に一歩近づいたよな。」

創真が聞き返しました。

「……副賞?」

司と創真はコンビニ前に
腰を下ろします。

創真はバリッと袋を破いて
アイスを取り出しました。

「っへ〜〜。
副賞なんてあったんすね。」

「いや、出場招待状と一緒の
書類に書いてあったでしょ…。」

「あ〜〜〜〜…
なんか書いてあったような。

ど〜せトロフィーとかだろと
思ってよく見てませんでしたわ。」

審査員席に座るランタービは
イライラして怒鳴ります。

「あんたねぇ!
そんな適当さで権威あるBLUEに
出てんじゃないわよ!!

あとコンビニの前で
たむろすんな。」

「だって次の門が開くまで
ヒマなんすもん。」

「ていうか!

今回の副賞は過去のどんな
料理コンクールよりも
豪華な物なんだからね!!

我らがWGOの最高責任者!

特等執行官!!

この方お付きの…
指定料理人になれるという
特権なのよ!!」

創真はアイスをペロペロ
舐めます。

「へ——…
それ、やっぱ凄いんすか?」

「!?

す、凄いに決まってんでしょ!?

特等執行官は私達ブックマンですら
滅多にお目にかかれない
美食会の超重要人物。

本来料理を出す側が
金を支払うべき
お方なんだから!」

「マジすか。」

司が言います。

「…実際ノワールたちの多くは
この副賞めあてだと思うよ。

特等執行官は年に数回行われる
WGO定例会合にだけ姿を見せる…。

その時に料理を出しさえすれば
莫大な年俸を支払うという
好条件だから。」

「司先輩もそれ目当てっすか?」

「もちろん俺も興味はあるよ。

そんな人物に自分の皿が
通用するのか…
挑戦してみたい。

幸平は興味ない?」

「ん〜〜…
俺、実家の常連客の方が
大事だし。

お付きのとか言われても
困るんすよねー…。

あ、そだ!
その人にうちの店まで
ご足労してもらえないっすかね。

そしたら対応できますんで…」

ランタービがブチギレました。

「もう優勝したみたいな言い方
やめなさいよね!!

そんなにモチベーション無いんなら
あんたなんか次の門で失格に
なればいいのよ!」

創真は笑顔で言いました。

「んや…やる気は満々すよ!

何てったって俺にとっちゃ
自分の”城”をしっかり継げるか
どーかがかかってんでね!」

一方その頃、創真のいる第二の門の
遥か先の城郭本丸前ではえりなが
困ったように立っていました。

「………。」

横で才波朝陽が旅行雑誌を
たくさん広げています。

「どこ行く?
新婚旅行。」

えりなが呆れました。

「何なのですかこの雑誌は!」

「いやそれがさ本丸に来る途中
何かコンビニあったから
数冊もってきた。

やっぱバリあたりの
南国かなー?」

「と、というか…
気安く話しかけないで
下さる!?」

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「ええ〜〜〜
気安くなんてしてねーよぉ。

姫って呼んでんだぜ?
すげぇ敬い方だろ。」

えりなは歯ぎしりします。

( ひ…人を誘拐しておいて
抜け抜けと…!! )

ぷいっと横を向きました。

「と…とにかく!
語り合う事などありません。

どこの馬の骨とも知らない
あなたなんかとはね!」

朝陽は無言でえりなを見つめます。

えりなは戸惑いました。

( ……あ、あれ?
言い返してこない…? )

朝陽が言います。

「んじゃさ…

俺が身の上話披露したら
ちゃんと語り合ってくれるかい?」

「身の上話…?
ふ…ふん!

そんなこと言ってまた嘘の身分でも
でっち上げるつもりでしょう!」

朝陽は笑います。

「さぁ?
それはどうかな〜〜?

ま、話半分で聞いてくれよ。」

少し間を開けて朝陽は
話し始めました。

「——本当の父親の
顔は知らない。

物心ついた頃には
もう母親と二人だった。」

「………」

「アメリカ北部の貧民街で
生まれたんだ。」

子供の頃、暗い部屋でテレビを見る
朝陽に母親が言いました。

「……アサヒ、酒は?
早く…お酒!」

朝陽は台所でトクトクと
コップに水を注ぎコト…と
母親の待つテーブルに置きました。

「……ほら酒だよ。」

— 泥酔してる時なら
これで事は済む。

そのまま気づかず
寝ちまうからな。

だが…
タイミングを見誤ると —

洗面台にジャーと水が張られます。

母親は朝陽の頭を思い切り
水の中に押し込みました。

「母親をなめてるんじゃないよ!!
どうしてアンタなんか…!!

あぁ畜生!
産むんじゃなかった!

産むんじゃなかった!!」

ガボガボ苦しむ朝陽の
頭を押さえつけ母親は
罵倒し続けました。

— やがて母親が亡くなり
運よく施設に拾ってもらえた
7歳のころ

たまたま出会ったのが
ジョウイチローだった。

ジョウの友人が主催してる
慈善活動の一環で…

施設の子供たちに料理を
ふるまってくれたんだ。

あんな美味くて
あったかい皿は
初めて食べた。

ジョウが来る度仕込みを
手伝うようになった俺は

市場や畑や牧場へ
連れて行ってもらい…

料理人として歩み始めたのさ。 —

その後も朝陽は城一郎の口利きで
厨房の見習いをさせてもらい

世界中の食について
語って聞かせてもらい

料理以外の色々な事も
教わりました。

— 本人には直接言えたことは
なかったけど

いつも心で唱えてた。

俺の父親はあんただ
ジョウイチロー —

朝陽が15歳になった頃
突然城一郎が言いました。

「わりーな朝陽。
もうアメリカには
来れなくなる。

俺の妻が亡くなったんだ。

いままではアイツに創真を—
息子を任せてちょいちょい
遠出できてたが

これからは…
そういう訳には
いかないと思う。」

朝陽は言葉が出ませんでした。

— どうして俺は

城一郎の子として
生まれてこなかったんだろう

いやだよ

いやだ

やっと出会えた俺の
“父親”を奪うなよ

どうして俺は…

お前になれなかったんだろう —

朝陽の目に涙が浮かびました。

— …ソウマ

ソウマ……!

ユキヒラ……ソウマ……

俺はお前になりたい……!! —

話し終えた朝陽を
えりなは見つめました。

朝陽はころって変わって
えりなに言います。

「な〜〜〜んつってな!!

はいっ身の上話はしたんだから
約束どおり真摯に語りあって
もらうぜ姫〜〜〜。

ホラこの島だとダイビングと
パラセーリングが出来てさ〜」

えりなは拍子抜けしました。

( ま…まったくどこまで
本気なんだか…! )

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— ……でも今の話

とても嘘偽りを並べた
ようには思えない。

謎ばかりだった
才波朝陽という人物

その実像が…

初めて垣間
見えた気がした—— —

本丸城郭ではアンが報告に
出向いていました。

「特等執行官…
報告します。

第二の門での試練が完了。

“表”はおよそ半数が脱落…

対し”裏”の料理人たちは
その全てが突破したとの
ことです。」

御簾の向こうで特等執行官が
うなづきました。

「ふむ…。

……これにて前座は終い。

いよいよここからが
本当のBLUE——。」

ランタービが指示します。

「さぁっ!

100ドル以上を獲得した人!
集合しなさいっ。

第二の門開放よ!!」

男達がギィィィ…と門を開けました。

扉の向こうには以前えりなが
誘拐された時、朝陽の側にいた
ノワール達が待ち構えていました。

特等執行官が扇子越しに
笑います。

「次の門で…
見せつけてやる
こととしよう。

此度のBLUEが
“どういう大会であるか”をの……!」

今週はここまでです。

結局創真のおせち価格は
うやむやに終わりましたね…
かわいそうに…。

コンビニ前でたむろする
司と創真の座り方に
性格が出てるなぁ。

二人共マイペースだし
案外相性いいんですね。

そしてついにえりな様参戦!

結局誘拐された後どうやって
帰ってきたんだ。

まるでなかった事のように
普通に話してるけど!

こんな風にマッタリされると
このまま結婚しても良いような
気がしてきますよ…。

朝陽の幼少期も明かされましたねー。

本当に隠し子でも
なんでもなかったな!

思ったよりずっと城一郎さんに
なついてたし!!

そして思ったより
創真の事恨んでますね…。

可愛さ余って憎さ百倍って
事なのかなぁ。

ここから来週の290話の予想です。

朝陽と第三の門で迎え撃つ
ノワールの関係が分かりません!

ノワール達が審査員って
訳じゃないんだろうけど。

単にシード権があって
第三の門からスタートって
事なんでしょうかね?

えりなや朝陽はそのまた
先までシード権で進んでる
ってだけなのかな?

去年までは普通の大会だったのに
何故今回からこんな事に…。

こんなに”裏”寄りの試練ばかり
続くと出来レースのような
気もします。

もう朝陽と特等執行官には
面識があって朝陽を優勝
させたいのかなぁ…とか。

第三の門の試練が
どんなものか気になります。

来週も楽しみです。

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というわけですが、最後までお読み頂いてありがとうございました!

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