9巻では「響」はコンクールで最優秀賞「文部科学大臣賞」を受賞することに。

この授賞式にプレゼンターとして、現役の文部科学大臣「加賀美祥吾」が出席することになります。

この「加賀美」、今度の総裁選に出馬する気満々。

ですが、ライバルとの差が無い事に頭を悩ませています。

授賞式の会場で「響」と出会った加賀美はある一計を講じます。

10巻の始まりは「加賀美」と「響」の出会いから物語は始まります。

響 10巻のネタバレ感想。11巻の予想。

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響の物言いや行動を見た加賀美はあの芥川・直木賞をダブル受賞した「響」だと確信します。

そして、「総裁選」に「響」を利用しようと企みます。

加賀美が響を会場の控室に呼び寄せます。

加賀美は響の出展作品の「あらすじ」と「感想例」だけに目を通し、いかにも「読んだ」振りをして響に小説の内容を

褒めちぎりました。

そして、「本題」の入ります。

今日のこの授賞式で「響」の正体を公表しないかと言うのです。

当然、響の答えは「NO!」。

「自分は一高校生であり、そこまで人の気持ちは背負えない。私にとって私は普通の16歳の高校生なのだ」。

だから、加賀美の申し出は「100回繰り返しても答えは変わらずNO。」と答えます。

この響の答えに納得した「振り」をする加賀美。

実は、ちゃっかり今の響きとの会話を録音していたのです。

この録音データをマスコミにリークするように秘書に指示する加賀美なのでした。

このやり取りを控室の扉越しに聞いていた凛夏。

表彰式の会場には現役文部大臣で今度の総裁選に出馬する加賀美が出席するとあって、沢山の報道陣が詰めかけています。

加賀美にとって、「響」を利用する絶好のチャンス。

そして、いよいよ授賞式が始まります。

加賀美が響に賞状を渡そうとしたその時、「さっきの会話の録音データを渡せ!!」と言ってくる響。

響は控室での会話が録音されていたと知っていたのです。

「何の事だかさっぱり分からない」ととぼける加賀美に「交渉する気は一切ない。黙って、データを渡せ!!」と凄む

響。

この二人の様子に会場はざわつき始めます。

加賀美は響の要求を無視して、「皆さん!一つ発表があります」と言い響の正体をばらそうとしたその時。

響の強烈なアッパーカットをお見舞いされます。

「100回言わなきゃ分かんないのか!!」と怒る響。

まさかの響の行動に会場は騒然となります。

そのころ会場の片隅で、加賀美の秘書に「録音データ」を返す様に詰め寄る凛夏。

SPも出てきて場内は大変な事になります。

加賀美は響に悪いようにしないから「30秒だけ黙って自分の隣に立っていて欲しい」と響に頼みます。

その間にも秘書にアイコンタクトをして録音データを凛夏に返す様に指示する抜け目のない加賀美。

何とか適当な話をしてその場を収めようとする加賀美に響は「あなた、小説読んでないでしょう。そんな人に用はない!

」そう言って響は会場から立ち去るのでした。

会場の外にも集まってきた報道陣を横目に帰ろうとする響。

「アンタ!一体、何がしたいのよ!!」

と怒鳴って響の頬を叩く一人の女性が現れました。

響の頬を叩いた女性の名は「藤代琴子」。

聖メアリー女学院の3年生でこれまでの文芸コンクールで2年連続最優秀賞を取っていました。

「琴子」を叩き返しながら、なぜそんなに怒っているのかと聞く響。

琴子は授賞式をぶち壊した響に怒りを覚えていたのです。

自分だけの式ではないのに何様のつもりなんだ。

周りの人の気持ちを考えた事はないのか。

そう詰め寄る琴子。

「こんなに今日の式を大切にしている人がいるなんて考えもしなかった」

そう言って響は自分の非を悟ります。

今度は琴子に殴られても殴り返さず「ごめん」と言って立ち去ろうとする響に報道陣からある声が上がります。

「あなたは芥川・直木賞を取った響さんではありませんか?」

この言葉に目を丸くする琴子。

「あなた、もしかして響さんなの?」

そう尋ねる琴子に「うん」と小さくうなずく響。

「私、お伽の庭、大好きです!!」

報道陣がいるにも関わらず、感激のあまり大声でこう言ってしまう琴子。

琴子に強烈なグーパンチをお見舞いした響はそのまま走り去っていきました。

そのころ、「響の受賞はなかったことに」とコンクールの主催者たちに交渉する凛夏。

これも全て響を守る為なのでした。

凛夏の努力の甲斐も有り話も無事まとまったその時、報道陣に響の正体がバレた事が判明。

結局、凛夏の努力は徒労に終わるのでした。

家に帰ってきた響は部屋を開けるとそこに...

加賀美とSPたちがババ抜きをしていました!!

「君の小説を読んだから約束通り、感想を言いに来た」と言って加賀美はババ抜きをしながら、小説の感想を言います。

そして、これから先の響と家族の警備や警察への手配を約束する、今日会場での自分のやったことを「悪かった」と謝罪

する加賀美。

「ありがとう。借りを作るのは嫌だからここでの会話の録音は何に使っても怒らない」と加賀美がポケットにボイス

レコーダーを忍ばせているのを見抜きながら答える響なのでした。

翌日から響の家の周りには報道陣が取り囲みます。

しかし、当の響の姿は見当たりませんでした。

響の学校にも報道陣が押し寄せますが学校側は生徒を守るために響の事は黙して語りません。

加賀美は響と「親友」というパフォーマンスをして見事総裁選で勝利し「総理大臣」となるのでした。

とうとう、響が現れることのないまま「卒業式」を迎えます。

凛夏はフィンランドに留学、涼太郎は東京の大学に進学しました。

新学期になっても現れない響。

とうとう、学校側から響の「退学」が発表されます。

新学期が始まって、多くの新入生が文芸部の門を叩きました。

しかし、文芸部は「新入部員を募集しない」と公言。

多くの新入生が諦める中、「安達悠音」と「小池望唯」だけは諦めることなく文芸部の部室の前に佇むのでした。

そのころ、フィンランドのアパートではしつこい新聞勧誘の足の指を折って撃退する一人の女の子が...

それは響でした!!

響はフィンランドの凛夏の住むアパートに身を寄せていたのでした。

そして、日本の涼太郎に電話して、

「今日、日本に帰るからウチの親に再入学の手続きするように伝えて」

と言う響なのでした。

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響 10巻の感想

10巻の感想は、とうとう響の正体が世間にバレてしまいましたね。

結果的に響の正体がバレたのは響のせいだとも思いますけど。

会場で加賀美にアッパーカットお見舞いしちゃったら嫌でも目立つし、琴子に響であることを肯定しちゃうし。

絶対に自分の正体を明かしたくないと言いながらバレてしまうような目立つ行動や言動をしてしまう響。

しかし、それが響なんでしょうね。

「我が道を行く」天才ですからね、意識しなくても目立つことになってしまうんでしょうね。

今回は琴子の言葉が胸を打ちました。

凡人代表の琴子。

努力に努力を重ねて二年連続最優秀賞を受賞した琴子。

しかし、今年は響に最優秀賞を奪われてしまった訳です。

「受賞」することに全くなんの意味も持たない響の方が珍しい。

努力が報われるのが「受賞」なんですから、普通は。

そして、総裁選にも利用される「響」という存在の大きさを改めて思い知った回でした。

響 11巻の予想。

11巻の予想としては響が日本に帰ってくるときに「新作」を引っ提げてくるのではないでしょうかね。

そしてまた文壇に旋風を巻き起こすのではないかと。

あの「安達悠音」と「小池望唯」のふたりは無事に文芸部に入部出来るでしょうか。

響は再入学する事ができるのでしょうか?

というわけですが、最後までお読み頂いてありがとうございました!

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