突然風見の湯に続き御錦上山荘も休業になりました。
ソーマ達は御錦上山荘に宿泊予定だった外人を
乙鳴旅館まで案内します。

その続きです。

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食戟のソーマ ネタバレ感想267話。268話の予想。食戟がついに世界へ!

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夜、緋沙子はえりなに報告します。

「えりな様!
先ほど田所恵から
報告が入りました。

残念ながら未だ解決の糸口は
掴めていないようです。」

「……そう。

一筋縄ではいかないわね。」

「しかしえりな様…
私にはまだ分かりかねます。

この失踪事件…
十傑が出向くほどの
事なのでしょうか?

我々料理人の出る幕では
ないような…。」

「……そうね。

“普通であれば”……
違うわね。」

場面は乙鳴旅館に変わります。

突然ガシャーンと音がしました。

田所が慌てて駆けつけると
ソーマが先に到着していました。

「創真くんっ!
今の音って…調理場から!?」

二人が調理場を覗くと
女の人が倒れていました。

「……!!」

田所が駆け寄ります。

「お……女将さん!?
だ、大丈夫ですか!?」

「……う……うぅ…」

ソーマが言います。

「あ、生きてる。」

後から板長が震える体を
押さえて出てきました。

「すまねぇ。
俺の腕が…
至らねぇばっかりに。」

田所は驚きます。

「板長!?

い…一体何が…
どうしたんですか!?」

「……どうしたもこうしたも

あの客がいきなり厨房に
押し入ってきて

挑んできやがったんだ

食戟を!!」

震える手で指さします。

ソーマが見るとそこには
昨日案内した外人が立っていました。

「……なるほどあんたが…
この一連の事件の犯人って
わけかい…。

食戟だと……?

あんた何者だよ?

いったい何が目的なんだ。」

外人は笑って答えます。

「……フフ簡単なことデスヨ。

オレはネ……
地方の鄙びた温泉宿
ほんとに愛してマス。

だけど

食事ダケガ我慢
ならなかったノデース。」

ソーマはキョトンとします。

「はい?」

外人は怒ってまくし立てました。

「いいデスカ!?
お客様、即ち俺は”王様”デス!!

なのにこういった地方の宿は特に特に!
新鮮さダケが取り柄の質素で!地味な!
料理ばっかり!!

国中から選りすぐった超最高級
ゴージャスな食材を出さなきゃ
“王様”に失礼デショ!!

それが究極の”ホスピタリティ”って
ものデショウガ〜!!!

これからはオレが言う通りの
料理を出せばいいんデス!

ソシタラもっとホスピタリティが
グッドな宿になるカラネ——!」

田所は戸惑います。

「そっ…そんな無茶苦茶な〜〜〜…!!」

ソーマも怒ります。

「おー!
田所の言う通りだぜ!

なんで、んな横暴が
通るなんて思えたんだよ!?」

「ナゼって?
決まってルヨ。

ナゼなら日本には

“食戟”という
ベリーグッドシステムが
あるからダヨ———!!!」

「……!!」

ソーマは「食戟」の言葉に
反応します。

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外人は笑いながら続けます。

「食戟にさえ持ち込んでシマエバ
どんな要求モ思いのまま!

女将サンも板前サンも…
自分の旅館に誇りを
持ってイルカラネ。

かる〜く挑発するダケで
簡単に受けてくれたデス!」

田所も驚いていました。

(ど、どうしてこの人…
食戟を知ってるんだろう!?

遠月の卒業生ってわけでも
なさそうなのに……?)

ソーマが調理台の上の料理を
見ました。

「…で、これがアンタの作った品か?」

ソーマはその豪華さに驚きます。

田所も目を見開きました。

「わ…っ!
オマール海老の上に…
フォアグラ!キャビア!

高級食材が所狭しと
使われてる!!

しかも…あの白キャビア

“アルマスキャビア”!!?」

超低確率で生まれる色素を持たない
アルビノの個体から採れたキャビアは
“アルマス”と呼ばれ(ダイヤモンドの意)

かつては国の王だけが味わう事の
できたキャビアであり

ひと瓶だけで価格は
数十万円にも上ります。

「これこそ王様にふさわしい
食材デ———ス!!!」

板長も目を見張りました。

「そしてあの皿…
素材の高級さだけじゃねぇ。

一流以上の料理人でなきゃ
…あんな味は作れねぇ!!」

外人はスッとスプーンで
容器に入ったキャビアを
すくいました。

「その通りデース…。

食材のみならず
調理の腕も……

オレは当然gorgeous(ゴージャス)
ダカラネ…!」

ビッとスプーンのキャビアを
空中に放るとシュパッと包丁で
切り裂きました。

ぽたたたたとキャビアの汁が
料理にかかります。

板長も女将も叫びました。

「直径3mmにも満たない
キャビアを」

「空中で残さず真っ二つに!!?」

外人は皿を差し出します。

「”オマール海老のショーフロア
〜流体の黄金〜デ——ス……。

※ショーフロア…火を通した肉や魚介に
生クリームとワインビネガーをベースにした
トロリとしたソースを包むようにかけた品です。

君タチも味わってみますか…?
スキルフルボーイ&大和撫子!」

「……!」

ソーマは差し出された皿を受け取り
田所と一口食べてみました。

ズワァと旨さが体中に広がります。

ソーマのはのけぞりました。

— 何ぃ……っ!!

キャビアの鮮烈な旨味・塩味が…
ぷりぷりのオマール海老や
とろとろソースと渾然一体に……!

粒が舌で歯で弾けるたび
より味の深みに引きずりこんで
きやがるっ!! —

田所は体を抱きかかえます。

— 逆にキャビアをカットして
振り注がせた方は…

その旨味だけがとろとろの
ショーフロアに溶け込んで…!

口の中で音もなく溶けて…
まろやかさが全身に広がってく…!

ものすごい美味しさ…!!
まるで……

ゴージャスさの水圧に抗えずに

身も心も

王様気分に浸っちゃう気持ち…!! —

田所は、はっと我に返りました。

「わ、私ったら何を…!!」

女将は涙ぐんで顔を伏せます。

「くっ…!

審査前はこんな奴の品
認めるもんかって腹に
決めてたのに

でも体が…勝手に屈服しちまって…!

あんな超高額希少食材ばかり
並べられたら

アタシらなんかじゃ
手も足も出るわけないよ!!」

えりなは紅茶のはいったカップを
手に取りました。

「裏の料理人———
とでも言うべき存在ね、彼らは。」

緋沙子はその存在を
初めて聞きました。

「裏…ですか……?」

「そう…我々の住む「表」とは
別の世界に生きる者達…。」

— 例えば……
国家の要人たちが秘密裏に集まる
決して公に出来ぬ会食や

あるいは裏社会で行われる
非合法な催事など

通常の飲食店や出張料理人を
利用できない場

そこへ出向き…

食卓を賄う料理人の需要は
近代以降急激に膨らんで
いったと聞くわ。

それが一部の料理人たちの
格好の仕事場となっていった。

社会からはみ出し己の欲望のままま
傍若無人に振る舞う無頼者や

法に触れてでもより美味なる皿を
追及しようとする悪徳シェフのね。 —

「そのような…表の料理界に
現れることなく

裏社会で莫大な利益を得る料理人。

彼らは人呼んで———」

【 真夜中の料理人(レ・キュイジニエ・ノワール) 】

— 美食界の闇夜で
ナイフを振るう者… —

緋沙子は驚きました。

「……!
本当にそのような連中が…!?

まさかその者達が
この事件を……!?」

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「そう——。

どういう訳か彼らは
知ってしまったのよ。

食戟を……!

捨て置けないわ!!」

— 食戟は我が遠月学園の誇り! —

えりなはドンと宣言します。

「それをダシにこの国を
好き勝手しようとする
侵略者どもには

鉄槌を下さなくては
なりません!!!」

乙鳴旅館で外人は勝ち誇ったように
語ります。

「オレの生きる世界デハ…
もし顧客を満足させられ
なかったり

会食を台無しにスル
料理を出せば

その場で処刑されても
おかしくナイヨ。

それに比べて食戟は
ベリーイージー…

負けても命までは
とられる事ナイ。

オレにとってはぬるま湯と
同じデ————ス!!

このチョーシでオレが最高の
“ホスピタリティ”

この国に浸透させて
アゲマ———ス!!」

高笑いする外人に田所が
挙手をして異を唱えました。

「あのぉ———…
ちょっと…いいですか?

ホスピタリティって多分
そういう事じゃないと…
思うんですけど。」

空気がざわっとざわめきました。

今週はここまでです。

ついに裏社会の料理人まで
出てきましたねー。

真夜中の料理人…。

今までは遠月学園内部の戦い
だったのにスケールでっかく
なっちゃって!

えりなも対応が大変ですね!

「食戟」も国際的になりました。

それにしたってこの外人が言うレベルの
料理を出し続けたら旅館倒産しますよね。

ここから来週の268話の予想です。

風見の湯の人達も食戟で負けたから
失踪してしまったんだろうけど
どこに行ってしまったの!

調理器具もごっそりなくなっていたし
裏社会で無給で働かされてるんでしょうか?

謎です…。

反論の手を挙げたのが田所なのは
意外でしたがホスピタリティは
田所の真骨頂だし!

ぜひ食戟をやってほしいです。

ソーマと連帯食戟でもいいのかも。

高級食材をあえて使わず
勝利してほしいなぁ!

学園騒動がひとまず落ち着いたけど
今度は世界的組織相手に食戟して
いくんでしょうか…。

すごい…スケール大きい…。

城一郎さんとか詳しそうですね!

来週も楽しみです。

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というわけですが、最後までお読み頂いてありがとうございました!

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