白津樹利夫VS一色慧の食戟開始。
ジュリオの実食が終わり、一色の番です。
その続きです。

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食戟のソーマのネタバレ感想216話。217話の予想。意外としつこい一色先輩。

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— 数ヶ月前 極星寮 —

一色が物陰からそっと吉野と水戸の様子を
見ています。

「うん!いけそーじゃんっ!?
オリジナルナチュラルチーズ作り!
挑戦してみようよ肉魅っち!」

「そうだな…チーズかぁ…。
質のいいミルクなら実家のツテで
手に入ると思うけど、一から作るノウハウがなぁ…。」

吉野が親指を立てます。

「だいじょーぶ、極星には強力な味方がいるんだよ!

発酵食品のプロフェッショナル、榊涼子女史っすよ!
アドバイスお願いします、姐さん!」

奥から青白い顔をした榊が現れました。

「…姐さん?」

「……あぁごめんなさい、新機軸の日本酒を研究中で…。
寝不足なのよ。」

同じく協力者の痩せこけてフラフラの丸井が
大量の本を抱えています。

そのまま真剣に話し込む様子に
吉野達も声がかけられません。

「……まずは自分達だけでやってみよっか。」

「おう…。」

ドタドタとやかましい足音を響かせて
佐藤と青木、伊武崎がやってきました。

丸太や脚立を運んでいます。

「ぐぉぉ重い!」

「きつい!燻製作り……こんな重労働だったとは…!
なんで伊武崎は涼しい顔してできてんだ…。」

伊武崎は軽々と丸太とチェーンソーを持っています。

「ほら次の作業いくぞ。」

吉野も参加します。

「おっしゃー、私たちもやったんぞ!!」

「休ませろ。」
「休ませろ。」

そんな会話を一色は静かに見ていました。

「……いいね、青春…だねっ。」

「見てないで入ってきゃいーのに。」

後ろで見ていたソーマと田所は突っ込みます。

場面は再び試合会場に戻り、一色が審査員たちに
料理を運んでいきます。

「さぁ召し上がれ…。

僕のうなぎ料理は
『ひつまぶし〜極星寮風味〜』です。」

— ひつまぶし——————

刻んだうなぎの蒲焼を
ご飯にまぶして食べる料理。

最初はそのまま…次にネギや海苔などの
薬味で味わう。

さらにその後、だし汁や煎茶をいれて
お茶漬けのように頂く。

数段階に味わい方を変え、楽しむ品である。 —

一色のひつまぶしに観客席の生徒たちがざわつきます。

「ひつまぶし!?あれが!?

何あのご飯…どう見ても普通の
ひつまぶしじゃないじゃん。」

「チーズリゾットみたいに見えるけど…。」

司会の川島も驚きます。

「ひつまぶしでリゾットぉ!!?
ていうか極星寮風味ってなに。」

竜胆は笑っています。

「あっはっはー、何が何だか全然分かんねーな。
尖ったもん出してきやがったぜー。」

一色はソーマに謝りました。

「ふふ…ごめんよ!リゾットは創真くんの
専売特許なのにね。」

「えぁ?そ そんなー、専売特許なんて
おこがましいっすよ〜〜〜〜〜。

うち実家が定食屋だからやっぱ米使いたく
なるってだけでー。」

檻の中から吉野と榊が割って入ります。

「いやいやそんな事より一色先輩!

その料理に…私達が作った食材を使ったってぇ!?」

「極星寮に保管しておいたやつを!?」

「そう……僕がこの手で、盗んできたのさ。」

一色がいい顔で答えます。

「そんな台詞でキメ顔すんな。」

榊が焦って一色に抗議します。

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「チョットやめてよぉ、まだまだ試作段階だったんだからー!
どうしてそんな事するの————!!」

「ふふ…榊くん、怒ってる君もチャーミングだよ。」

ジュリオはそんな様子を腕組みしてみてます。

— ……一色…!何のつもりだ。

後輩の食材を手当たり次第に使っただけというなら…
味は纏まるわけが無い!!

この勝負へのinsultare…(侮辱)とも
とれる行為だッ!! —

審査員たちの用意が整いました。

「では……一色慧の品、実食にはいろう。」

皿のひつまぶしを見ます。

「どうやら生米から作っている……。
確かにチーズリゾットだ。」

「最後にこのポットの中身をかけて
食べる流れのようだね。」

箸でリゾットを持ち上げます。

— おぉ……っご飯の熱で
適度に溶けたチーズが
うなぎにもじわりと絡んでいく… —

シャルムとアンが口にします。

— だ…だめ!!

拷問的なまでの美味しさ…っ!!—

アンの身体にうなぎ達が絡みつく
イメージが広がります。

審査員の好感触にソーマ達が湧きました。

アンたちが一色の料理を絶賛します。

「何なのですか…この美味しさは……!
リゾットの決め手は山椒…!」

「鮮烈でシャープな香りがチーズから
コクとまろやかさだけを引き出し、
うなぎの旨さを爆発させている!!」

「そしてそれらを繋ぐ影の立役者は
ニンニクだ……!!」

会場がざわめきました。

「ニンニクだと!?」

「和食でニンニクって…ほとんど
聞いた事ねぇぞ!?」

一色はフッと笑います。

「後輩たちが作った燻製ニンニクチップ。

このチップは魚介の味を引き立てる
クルミ材でスモークされている。

それを軽く砕き、トッピングした事で
サクサクとした食感もプラスされます。

そして最も重要なのは、このうなぎが
『関西風蒲焼』であることです。」

— 関西風には関東のものとは違い
“蒸す”という工程がない。

なのでバリッと脂の主張が強く、
香ばしい蒲焼になり、

ニンニクという強烈な素材とも
合わせられたのです。

※蒸すと脂が落ち、ふわりと柔らかく仕上がる。 —

「何より伊武崎くんの一生懸命な情熱と
手伝った青木くん佐藤くんの汗が染み込んでいるんだ。

美味しくないわけがないのさ!」

「しみ込んだとか言うな、気持ち悪いわ。」

青木と佐藤からツッコみが入ります。

アンが不思議そうに聞きます。

「これだけでも…充分美食として成立している
完成度ですが、では……このポットの中身は…?」

「『うなぎの肝吸い』です。」

一色はリゾットを手に取り
うなぎの肝吸いをかけました。

「下処理したうなぎの肝と、ニンニクチップを
オリーブオイルで炒め……、

榊くん達の日本酒を入れ、アルコールを
飛ばしてから鰹だしを加えたものです。

吉野くん肉魅くんが作ったチーズとも
やさしく溶け合い素晴らしい余韻を生みだします。」

肝吸いをかけたうなぎのリゾットを
ジュリオに差し出します。

「白津くん。」

「!!」

「この料理を味わって美味だと思ったなら、

極星寮の皆を侮辱したこと…詫びてもらおう。」

ジュリオは戸惑います。

「……納得いかない…和食で……、
日本料理でニンニクにチーズだと!?

一色!常識はずれにもほどがあるだろう!!」

一色は笑いながら答えます。

「こんなのは僕にとっては序の口だよ?

たとえば和食にフランス料理の古典的ソースを
合わせるのは僕の得意技さ。

新しいものができるなら、どんな食材でも
調理法でも使う。

フォアグラ・トリュフに低温・真空調理。

熟成した魚には柑橘類や新鮮なフルーツを
合わせる事で香りが深まるよ。」

「…………!!!」

「それに……僕は和食を作ったつもりはない。」

「!?」

「作ったのは『僕の料理』だ。」

ジュリオは汗ばんで一色を睨みます。

— そうだ……、こいつはこういう男だった!!

まるで厨房で、遊んでいるように料理を作る……!! —

えりなは思い出します。

— とある食戟で……一色慧の料理を審査した美食家は
彼の料理をこう評していた。

【 超攻撃的和食 】と!!! —

ジュリオが一色に気圧されながら
ためらいがちに一口食べると、体がビクンと
跳ね上がりました。

夢中で口にかきこみます。

— 皮パリパリ&脂じゅわじゅわのうなぎと、

肝吸いの澄み渡るコク……
チーズ・山椒・ニンニクチップ…

風味も食感もすべてがひとつに溶け合って
至上の美味さ…!! —

一色は瓶の蓋を取り、日本酒の匂いを嗅ぎました。

「たしかにこの酒は少し香りにカドが立ちすぎている。

でもそのカドのおかげで、うなぎの香ばしさに
上手くマッチしている。

かつ甘みが抑えられているため、オリーブオイルや
ニンニクとも自然に調和するんだ。

他の料理酒ではこうはいかない。

この料理はこの日本酒があったから
成立したのさ。」

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アンは感心します。

— ……素材の欠点と言える部分すら活かして
美味へと逆転させた。

そんな仕事を完璧にこなせる料理人が
まさかまだ学生とは…驚愕ですね。 —

一色がジュリオに聞きます。

「さぁ白津くん、味はどうかな?」

怖い笑顔でジュリオを追い込みます。

「べつに僕はいいんだ……。
でも寮のみんなの名誉を守らないと。

これは僕個人の感情ではなくて
皆の先輩としてのけじめなんだ。

だから謝罪してほしいな
してくれるよね?」

(ね……ねちっこい!!!底意地の悪さがにじみ出てる)

ジュリオは悔しがります。

— ……でもこの料理の前では

抗うことなどできない!! —

再び一色の料理を勢いよく食べます。

一色がさらに追い詰めます。

— さぁ 謝って? —

ジュリオは激しく悔しがります。

— くそぉぉぉぉぉぉ!!!

み………Mi scusi(マジでごめん) —

食戟が終了しました。

『 審議終了。

1st BOUT 第2カード勝者は

【 一色慧 】 』

一色が極星寮のみんなに親指を立ててポーズを決めます。

寮の皆も同じポーズを一色に返しました。

今週はここまでです。

一色先輩勝利ですね!良かった!

しかもみんなの食材を盗んで…(笑)

でもちゃんとクセも全部わかっちゃうんですね。
すごいなぁ、料理人。

そして意外と粘着質だった…。
ジュリオさんをとことん追い詰めましたね。

意外な一面…のよなそーでもないよーな。

関西風と関東ではうなぎの焼き方が
違うんですね!知りませんでした。

関西風、美味しそう!
バリッと香ばしいのっていいですね〜。

一色先輩は調理方法があまりにも攻撃的すぎて
家の方とあんまり仲が良くないのかな?

斬新すぎなんでしょうかね。

ここから来週の217話の予想です。

第3カードの女木島さんの食戟が始まるのでしょうか。

女木島さんのお題も、得意料理も
何もかもがわからなすぎて。

予想も何もないんですが。

ただ女木島さんは元十傑第三席なので、
そうとうな実力者ですよね。

一色先輩と同じく神業を見せてくれるはず!
期待大です!

反逆者チームが順調に2勝したので
そろそろ何かありそうな気もします。

全勝は難しんだろうなぁ。

あと負けたジュリオを竜胆さんが
どうやって慰めるか気になります。

またタオル持って駆け付けるのか!

おかあさんだなぁもう。

来週も楽しみです。

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というわけですが、最後までお読み頂いてありがとうございました!

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